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今更ながらFFXをプレイしました 後編

もうすぐ実家を離れる管理人です。
しばらくは帰って来れません。寂しいです。
それでも発たねばならないのです。うう…。

今回は、FFXプレイ感想の完結編です。

前々回でも触れましたが、
FFXは「ラヴストーリーと思いきや、実は父子の物語」とのことです。
で、実際にプレイしてみると、
確かに上記の評判は当たっているのですが、
むしろ「父子の物語と思いきや、実は和解の物語」でした。

それはもう、様々な人間模様が描かれています。
一歩間違えれば、詰め込み過ぎて崩壊しかねなかったでしょう。
ですが、心理描写が巧いために
各々の立場や心情がわかりやすくなり、バランスが取れているのです。
これは私の制作活動にとって大きな影響を与えそうです。

…というわけで、追記はものすごい長文になっています。
時間に余裕がある方は追記へどうぞ。

ではとりあえず、また来週!


ちなみに、次のプレイ感想は
“ツッコミどころがアンリミテッドなRPG”の予定です。




小説等を読んでいて思うのが、心理描写の難しさです。
語り尽くしてもいけないし、省きすぎてもいけない。
作り手の個性・特性がよく表れるのが心理描写だと思っています。

FFXの場合はどうかと言いますと、
台詞や動きだけでなく、物語の構成や視点も心理描写に使っています。
どのような使い方なのかを
具体例を交えて全3節で検証していきます。


【1】序盤にリュックが登場・離脱した意味

「宗教と民族を巡る確執」はよく見かける題材です。
FFXだと、仲間であるワッカとリュックの衝突が上記に当たります。

掻い摘んで説明すると、
ワッカは宗教上の理由だけでなく弟を失った過去もあって
国を持たない民族「アルベド族」を憎んでいます。
物語の中盤、リュックがそのアルベド族出身だと知ったワッカは
彼女に対して憎悪を示すようになるのです。

しかし、ティーダにとっては
異世界・スピラに飛ばされて右も左もわからなかった自分を
(時期は違えど)親身になって助けてくれたのがこの2人なのです。
それ故に、彼は2人の仲をなんとか取り持とうとします。

ここで物語の構成が心理描写に絡んできます。
実は、ティーダがスピラで最初に出会ったのは
リュック含むアルベド族でした。
その後すぐリュック達とはぐれたティーダはワッカと出会い、
しばらく彼や他の仲間達と行動を共にしますが、
忘れかけていた頃になってリュックが合流するのです。

リュック再登場までの間、ティーダは何度もアルベド族の悪評を耳にします。
しかし、まだ何も知らない時期にリュックと接したために
アルベド族に対して偏見を抱くことはありませんでした。
その一方で、リュックがいない時期にワッカの人柄と過去を知ったことで
彼のアルベド族に対する感情を受け止められたのです。

上記のティーダの中立的な視線を通して、
プレイヤーはアルベド族を巡る民族問題を
ワッカとリュック、双方の立場から考えることになるのです。
このように、主人公と同じ視線と歩幅で
世界ひいては個人の事情をつかんでいく手法は、
複雑な設定下でプレイヤーの理解と共感を得るのに使えそうです。


【2】回想しない語り手達

さて、仲間の和解に努めるティーダですが、
彼もまた父親・ジェクトに対して複雑な感情を抱いています。
しかし、徐々にその感情にも変化が見られるようになります。

ティーダの変化には、2つの要因があります。
1つは、「第三者にとってのジェクト」を耳にしたこと。
もう1つは、彼自身が思い出と向き合うようになったことです。

仲間であるユウナやアーロンは
スピラに迷い込んだジェクトの事を知っていました。
彼等からジェクトの話を聞く度に、
ティーダは記憶の中の父親を見つめざるを得ませんでした。
初めは頑なに“意地悪な奴”という印象を崩しませんでしたが、
少しずつ、なかなか自分が認めようとしなかった姿
“不器用な父”を受け入れていくようになるのです。

以上がティーダの変化のあらましですが、
心理描写に着目すると、不思議な点に気が付くのです。

ティーダがジェクトを思い出す際は
ジェクトの姿が脳裏に浮かぶ(本当の意味での)回想シーンになります。
ところが、ユウナやアーロンが話す場面では回想シーンが無いのです。
ユウナは言葉で、アーロンはさらに記録媒体の映像で、
ジェクトの人となりや胸の内をティーダに伝えているのです。

制作側の意図としては、主観的な視点を意識したのだと思います。
(つまり、主人公・ティーダの目で物語を追うようにさせたということ)
ですが同時に、ティーダの心情を客観的に描くのにも一役買っています。
余計な(=ティーダには伝わらない)情報を省くことで、
ティーダが記憶と向き合い始めた要因がはっきりと見えてくるからです。

ワッカとリュックの件もそうでしたが、
常にプレイヤーの視点は、
主人公と同じはずなのに、どこか一歩引いた所にあるといえます。
こうした視点の配置のおかげで
的確にティーダ達の心情を把握することができるのです。


【3】シーモアを巡る人々の目

最後に、一風変わった心理描写を紹介します。

FFXの重要人物に、シーモアという召喚士がいます。
閉鎖的な種族「グアド族」と人間のハーフである彼は
幼少期に迫害を受けていましたが、
勉学に励んで出世し、スピラの人々から尊敬されていました。
ところが、自身の召喚士としての力に憑り付かれた彼は
物語中盤でスピラを混乱に陥れ、姿を消すのです。

(個人的に、シーモアの言動に関しては心理描写が甘いと思っています。
 狂気が理由だったにしても、共犯者にあたる視点が無いためか
 一連の事件を引き起こした背景がつかみづらいように感じました)

物語だけを追っていくと悪役の面が強いシーモアですが、
街や集落の人々に話し掛けると、
彼の評判を通してスピラの一面が見えてくるのです。

例えば、かつてシーモアが修行をしていた寺院。
当時を知る老僧は、事件後もなお
真面目な苦労人だったシーモアを擁護します。
しかし、信者に話し掛けてみると
寺院に籠り世情を見ない修行僧もまた批判される立場だとわかるのです。

地元であるグアド族の集落では、事件後の反応は十人十色です。
非難。後悔。絶望。発狂。
いずれにしても集落の空気は重苦しく、中には遠方へと離れる者まで現れます。
シーモアが引き起こした衰退を受けて、一部のグアド族は
「アルベド族の次は、我々が迫害されるのだろう」と嘆くのです。

事件前もそうなのですが、
シーモアやその関係者に対するコメントの多くは
スピラの情勢は勿論のこと
発言者自身や民衆の感情・境遇までもが伝わってきます。
モブが世界観を創り出す、というのは耳にしたことがあるのですが、
特に有名人を見るモブは雄弁なのだと、今回のプレイでよくわかりました。


…という視点で心理描写を分析してみました。
まだ説明しきれていない部分、見落としている部分があると思いますが、
見つけたとしても、それはまた別の形で触れたいと考えています。


これにて総評は終わりです。
長々と御付き合い下さり、本当にありがとうございましたm(_ _)m


<制作活動への教訓(シナリオ面その2)>
シナリオ面(特に心理描写)で学んだことは↓↓↓
 ・物語の展開や構成も心理描写に関わってくる
 ・中立派の主人公にプレイヤーを併走させると設定が伝わりやすい
 ・回想シーン等を特定人物のみに絞ると、その人物の心情がわかりやすい
 ・最も心情を伝えやすい視点は、主人公に近くて一歩引いた位置
 ・他人の視線も描写方法の一
 ・有名人に対する目は世界を映す

…多すぎて覚えられないよ(@_@|||)


以上、FFXの感想でした。

2013-03-25 : 市販ゲームのこと :
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プロフィール

かわや

Author:かわや
別名:御手洗薫子(みたらいかおるこ)
性別:♀
生年:昭和末期
活動:フリーゲーム制作+α

 週末(金~月)に1回は更新します。
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